死の壁

死の壁 (新潮新書)

死の壁 (新潮新書)

日本では、「脳死は死ではないが、臓器移植は可である」なんだそうで、凄い驚きでした。
脳死を死と定義すると、日本人の共同体としての暗黙のルールに反するそうです。それが、表に出て明文化してしまうと、議論が紛糾して会議がまとまらなかったらしい。
暗黙の了解って、実は個人個人で微妙に食い違っていて、それを統一した意志として明文化することって出来ないのかもね。で、暗黙のままで通すことで、それぞれの微妙な違いには気が付かない振りをして、物事を押し進める。それが悪いこととは思わないけど。
「人間」は「人」だけではなくて、「人」と「間」から成り立っていて、「間」とは「世間」のことだそうです。私とは、私と私を取り囲む環境のことである。などと、どこかで見たことがあるけど、「世間=環境=共同体」というなんでしょうかね。