カンブリア紀の怪物たち (via nishis)

カンブリア紀の怪物たち (講談社現代新書)

カンブリア紀の怪物たち (講談社現代新書)

サイモン・コンウェイ・モリスによる、バージェス頁岩の化石についての考察。この本の全体としては、事実を元にして淡々と解説している。一部、タイムマシンで時間を遡って、化石が生きていた当時の様子を描画している章がある。現在でも詳細が判明していない生物については、逃げられてしまい観察できなかったと記述しているようだ。きちんとした物を書こうという著者の意図が伝わってくる。
また、本書の中でグールドのワンダフルライフ感想)への反論が述べられている。事実と違う点や、想像から膨らませた点などを批判している。こういう、同じ題材を違う視点から読んでみると、捨てられた物や隠された物が見えてきて、なかなか面白い。