Smalltalkベストプラクティス・パターン

ケント・ベックのSmalltalkベストプラクティス・パターン―シンプル・デザインへの宝石集

ケント・ベックのSmalltalkベストプラクティス・パターン―シンプル・デザインへの宝石集

  • 作者: ケントベック,Kent Beck,梅沢真史,皆川誠,小黒直樹,森島みどり
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本
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Smalltalkらしいプログラムを作るためのパターン集。デザインパターンよりも実装寄りで、イディオムやコーディングテクニックなどが対象になっている。
振る舞いに関するパターン、状態に関するパターンは、Smalltalkでプログラムを作る際に、普通ならこうするよな、ということがパターンとして整理されている。Smalltalkを始めたばかりの方が、標準ライブラリを読み解いたり、何かプログラムを作る際の指針になると思う。
コレクションに関するパターンは、コレクションの使い方にパターン名を付けているような感じで、単なるライブラリの使い方のように感じた。確かに、クロージャと組み合わせたコレクションは、静的な型チェックが無いことにより、柔軟で強力なので説明のしがいがあるとは思います。しかし、ここに記述されているのはパターンと呼ぶべきなのだろうか。
フォーマットに関してもパターンがある。どのように字下げしたらコードが読みやすいかがパターンとして記述されている。しかし、Smalltalkで開発する場合はブラウザ標準のコードフォーマッタを使うのが普通なので、フォーマッタのパターンと言われても使うことは無いだろう。
本書全体として、読み物としては面白かったのだが、内容の粒度にバラツキがあるように感じた。